2019年7月26日

特定非営利活動法人 大東野崎人権協会

Filed under: 大阪府,学ぶ,相談する,集まる・つながる — Kumono @ 8時57分39秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
特定非営利活動法人 大東野崎人権協会
Q. 主な活動場所
大阪府大東市野崎1-24-1(大東市立野崎人権文化センター内)
[JR片町線野崎駅から徒歩3分。周辺は住宅街で人通りも少なめです。]
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の
注意事項等
相談支援 月曜日~金曜日(第1・3土曜日) 無料
居場所支援 第2・4月曜日 14:00~16:00 無料 実施内容により、別日に行うこともあります。
訪問支援 必要に応じて 無料
体験活動支援 必要に応じて 無料
学習支援 必要に応じて 無料

[・居場所について:
「ジョブキャン」と呼んでいます(ジョブ+キャンプ、キャンパスなどいろいろな意味を含んでいます)。楽しいところもありながら、対人関係(コミュニケーション)、集団行動などに慣れてもらうようにしています。隣の教育センターでの卓球や近くのグラウンドでのサッカーなどの軽い運動、調理室での料理体験、和室でのカードゲームなどさまざまです。料理体験はなるべく季節のことを行うようにしています。ちなみに1月の調理体験はお正月ということもあり、ぜんざいを作りました。スタッフの方で考えたメニューや当事者さんの希望を聞いてメニューを決めたりします。
参加者は内容次第で2~10人ほどですが、イベント以外では男の子が多いです。活動が縮小するときにメンバーが「卒業」したり、広報を控えていたので、知られていないという側面もありますが、今後は、新しいメンバーが増えてほしいです。イベントなどは面談の時やメールでお知らせをしますが、なかなか参加しにくい人もいます。多くの人に参加してもらうためにも無料で行っています。臨床心理士がスタッフとして入っていますが、先導するわけではなくみんなで一緒に居場所をつくるという感じです。
みんなが楽しい企画をつくるのが大変で、ヒットしないこともあります。居場所と個別面談で振り返りを行い、スタッフ間で共有します。
ここから次のステップにどうつなぐかが大切だと思っており、居場所からのステップアップとして1upイベント(社会体験活動など)も考えています。]

 Q. 利用の際の条件
本人の年齢は概ね15歳から39歳まで。
 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
「外に出ることの第一歩」を、臨床心理士などの専門支援員がセンター等での面談を通して、本人やご家族ととも考えていきます。若者の居場所にもなっている少人数グループ活動「ジョブキャン」を行っています。必要に応じて、セミナーへの案内や各種専門機関との連携も図ります。
 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
30代 1人 1人
  Q. 専門資格・免許など
臨床心理士,(大阪府認定)人権擁護士
 Q. スタッフプロフィール
事業統括責任者:
若者等自立支援事業やCSW事業および総合生活相談事業等にかかる各々のスタッフと協働・連携を図っている。
 Q. メールアドレス
wakamono@daitonozaki-jinkenkyokai.jp
 Q. 電話番号
072-879ー2010
 Q. FAX番号
072-879ー3611
 Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 5%
90%
親以外の家族 1%
その他 4%
 Q. 上表「その他」とは
学校関係者、相談機関支援員
 Q. 参加・利用している本人の特徴など
特に20代後半から30代の方が多いです。男女比2:1くらいになります。
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 面談はできるだけ静かで話に集中することができる面談室でおこないます。居場所は、野崎人権文化センターの会議室や調理室等を利用しています。

[写真は上段の左から玄関、相談室、下段の左から調理室、パソコンルームです。]

 Q. 参加・利用している家族・親の特徴など
50代~70代の方、母親からの相談が多いです。
 Q. 家族・親が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
温かい雰囲気作りを心掛けています。
 Q. 学校関係、行政、近所の人など、その他の利用者について
 連携している生活困窮者相談の窓口、サポートステーション、病院等からのご紹介いただくことがあります。
Q.活動を始めたきっかけ[調査員が聞き取り]
 大東市においては同和問題の解決を目的にハード・ソフト両面の事業施策が展開されていました。また、「差別撤廃・人権擁護都市宣言のまちだいとう」を掲げさまざまな人権問題にかかる課題解消を図るために、市民を対象とした総合生活相談(進路選択・就労・人権・生活)事業を行っており若者のひきこもりにかかる相談が増えてきました。
そうしたなかで、平成24年に大阪府が子ども・若者自立サポート事業を行うという情報を得て応募しました。事業実施に当たっては保健師、臨床心理士、精神保健福祉士等の資格を有する人々の協力を得て体制を整えることができ、子ども・若者自立サポート事業、青少年メンタルヘルス事業、発達障がい者気づき事業を連携して取り組めることになりました。
その後、子ども・若者自立サポート事業にかかる予算は廃止され登録制となりましたが体制の縮小や他事業の組み合わせ等で工夫をしています。
大東市においては、27年11月から大東市若者等自立サポート事業が実施され、相談・訪問・居場所・体験活動・学習に関する支援にかかる分野を受託しています。
他市の相談支援窓口や専門機関に繋いだ場合でも当センターとのつながり見守りを大切にしています。
Q.最初に相談を来る人はどのような経緯で来ているのか[調査員が聞き取り]
 現在、広報は紙媒体(チラシなど)が中心でホームページは中断しています。最初の相談はそのチラシを見た家族からの電話が多いです(本人からはめったにないです。)家族との面談を重ねて本人と面談するようにしています。本人との面談の段階でも家族と連携します。
その後、当事者の状況に応じて居場所や体験活動を勧めたり、他機関(ハローワーク、サポステ、訓練学校等)に繋ぎます。
ネットワークのシステムはできていませんが総合生活相談等の事業の繋がりを活かしています。
 Q.活動する上で大切にしていること[調査員が聞き取り]
 当団体を法人格化にする時に「人権」人が活き活きとして生きていくことができる社会づくりに貢献することを目的に定めています。
いかにして当事者に向き合って困っていることを一緒に考えていくか、が大切だと思います。
若者のひきこもりは地域に限らず社会全体の問題であるとの認識のもとに、地域や年齢で区別することなく、総合的・包括的な支援に取り組むことを必要としていますところから他機関にもそのようなお願いに行っています。
 Q. 今後の課題・目標など[調査員が聞き取り]
 いろいろなことを安定しておこなっていく(継続していく)ためにも自主財源がほしいです(クラウドファンディングなども検討中ですが、知識不足なので教えてほしいです)。また、中間就労も独自に行いたいです。そのためにも企業の協力などもほしいです。
・ 調査員感想
 ここまで幅広いことを独自に行っている団体(しかも無料で)はなかなかないので驚きました。隣の市とはいえ、自分の家から自転車で10分の距離に、このような支援機関があることも知らなかったです。とはいえ、他の多くの機関のように継続性が課題となっているようで、実際規模も縮小されているようです。幸い、多くの活動に使える「ハコ」はあるので、このプロジェクトのネットワークを活かして継続の一助になれば幸いです。最初は念頭になかったですが、それこそがこのプロジェクトにおける支援機関側のメリットかもしれませんし、プロジェクトとしても何か支援機関側にもプラスになってほしいと思っています。

(最終更新日:2019年7月26日)

2019年7月10日

高島市少年センター/子ども・若者支援センター“あすくる高島”

Filed under: 学ぶ,滋賀県,相談する,集まる・つながる — Kokushi @ 11時12分48秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
高島市少年センター/子ども・若者支援センター“あすくる高島”
Q. 主な活動場所
滋賀県高島市新旭町北畑565番地 高島市役所新館2階
[新旭駅より徒歩約5分]
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の注意事項等
青少年の問題行動、非行、犯罪、被害の未然防止活動 月曜~金曜 9:00~17:00 義務教育の後半~二十歳未満
個別相談(居場所機能 アウトリーチ) 月曜~金曜 9:00~17:00
初回面談は電話予約で土日も可
義務教育の後半~30歳代
個別支援(居場所機能 アウトリーチ) 5プログラム 月曜~金曜 9:00~17:00 義務教育の後半~30歳代
他者交流や社会との出会い(個々の歩みに応じ居場所機能) 月曜~金曜 9:00~17:00 義務教育の後半~30歳代
不登校、ひきこもり家族学習会 年5~6回
(総論 テーマ設定)
家族 身近な実践者
子若支援地域協議会代表者会議1回、実務者会議5回
広報活動(センターだより2回 市広報誌掲載2回
啓発講演会1回あすくる研修会1回 ケース会議随時
地域協議会26構成機関拡大協議会6機関追加

[◎個別支援5つのプログラム
1.生活改善支援(通所相談により不規則な生活を改善)、2.自分探し支援(様々な体験活動を通して自分を見つめ直し、やりたいことや目標を見つける)、3.就学支援(学力に応じた資格取得、復学、進学等に向けての基盤、学力の習得や進路指導)、4.就労支援(就労に向けての社会生活能力の修得、履歴書作成補助、面接練習、ハローワーク同行、職場体験、技能資格取得)、5.家庭支援(当事者、保護者に対するカウンセリング、親子ふれあい活動、家族学習会)。
他者との関係を紡ぐ居場所機能 *5つのプログラムで交流 *多分野連携協働で実施

県内他のあすくるでもあすくる高島と同じ内容の活動を提供しているわけではありません、詳細は各あすくるにご確認ください。]

 Q. 利用の際の条件など
条件はありません。年齢は0~39歳までが対象。
他に、小学生を対象とする相談機関や適応指導教室があるので、実際は義務教育の後半から39歳までとなっている。
 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
○子ども・若者をどう理解するか
*表出している課題だけでなくその背景に目を向けて
*「様々な型」があってあたりまえという認識
○適切な情報共有により個別の課題を集団の課題として解消を図るとともに、集団としての実践力を醸成(形成)する
○「セーフティネットの構築を核にしたつながりづくり」⇔「つながりに支えられたセーフティネット」(多分野連携、多分野協働)
○好ましい変容を支えるもの
*初期段階の居場所機能(ほっとできる わかってもらえる してみたいことがある)
*関係を紡ぐ居場所機能(仲間と思える人 大切と感じる人 一緒に行動する)
*開かれた関係(共に学ぶ 共に変わる)「指導」から「支援」「協働」という関係性
*主たる要因の認識 可能性への気づき 可能性への挑戦
○大切にしたい機能
*総合相談窓口機能 *多分野のネットワーク機能 *「関わりの隙間」のない体制と運営
Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
狭い意味でのスタッフ(事務局員) 5名 臨床心理士(週1日勤務3名 月一日勤務1名)
  Q. 専門資格・免許など
青少年活動の指導員経験者 児童福祉士 臨床心理士 教員免許所持 現職教員
 Q. メールアドレス
shonen@city.takashima.lg.jp
 Q. 電話番号
少年センター(連絡用)0740(25)8556
相談専用 0740(25)8555
 Q. FAX番号
0740(25)8071
 Q.最初の相談者の割合について(最初の相談=当センターへの紹介も含めて)
 

属性 割合(%)
本人 15%
45%
親以外の家族 10%
その他 30%
 Q. 上表「その他」とは
学校関係者、関係機関(地域協議会構成機関)、友人(反社会的行動)
 Q. 参加・利用している本人の特徴など[調査員が聞き取り]
不登校、若年無業、ひきこもり、非行、困難を抱えている、困難な状況に置かれている若者と幅広い方が対象。
参加する方を活動の内容により分けるなどの配慮もしている。

あすくる高島
中学生14人、高校生7人、無職少年1人、有職少年1人

高島市子ども・若者総合相談窓口
20代22人、30代12人、 

 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について[調査員が聞き取り]
 建物の入り口は、市役所正面玄関を通らずに入ることもできる。活動室は広い。個室の相談室もあり、調理できるスペースやサンドバックや卓球台などが置いてあり、様々な過ごし方ができる。

 

 

Q.今後の展望[調査員が聞き取り]
 あすくるに来られるのを待っているのではなくこちらから伺うアウトリーチにも力をいれていければと思います。
旧市町ごとぐらいにもっと身近に居場所ができればいいなと思います。
高島の資源を集め、様々な方と一緒にやってみて、居場所や中間的な就労の場を増やしていき出口機能を更に充実をさせていきたい。
・ 調査員感想
 幅広い方々を対象にしている上の苦労があるものと思われた。
非行系とひきこもり、不登校系とそれぞれプログラムを変えたり、一緒に活動するプログラムがあったりと工夫されており、参加するプログラムにより共感や安心感が得られる配慮がなされている。
幅広い活動内容で自分に合った活動や、興味を持つようなイベントや催しを精力的に提案しておられると感じた。
幅広い年齢層が対象なので初期の居場所機能からボランティア活動、就労支援まで同じアスクル内でワンストップでできるのは次のステップに進みやすいと思う。
室内の活動の場も様々な趣味に応じた設備、道具が揃っており自由に過ごせる空間が確保されており楽しく参加出来そうな居場所ではないかと思う。

(最終更新日:2019年7月10日)

2019年6月15日

NPO法人 結

Filed under: 兵庫県,相談する,集まる・つながる — Kumono @ 6時55分57秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
NPO法人 結
Q. 主な活動場所
兵庫県丹波篠山市東吹500 遊び村
[JR篠山口駅から徒歩約20分。看板が出ているので、入り口はわかりやすいです。事前に連絡すると駅まで送迎してくれるそうなので、初めての人でも安心です。]

案内板 看板 入り口看板
Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の
注意事項等
遊び村 金・土・日・月 10:00~17:00 無料
居場所活動 月1〜2回程度(不定期) 実費
カウンセリング 第2月・第4月 19:00〜21:00 無料
電話・来所相談 月・水・金 10:00〜17:00 無料
訪問 随時 無料
講演会の開催 年2回程度 無料

「遊び村」は、山あいの 緑に囲まれた1500坪ほどの土地にある手作りの遊び場で、○子ども達や家族連れの遊び場 ○不登校やひきこもりの経験者の居場所や体験の場 という2つの顔をもっています。その管理や運営に不登校やひきこもりの経験者が携わることで、体験を積み重ね、それぞれが自分に合った次の一歩を模索しながら活動していく場です。
そのような体験活動のほかに、月1〜2回程度の居場所活動(花見、海水浴、運動会など)や、月2回の臨床心理士によるカウンセリングを行っています。また、黒豆などの野菜づくりや花苗の販売などにも挑戦し、中間的就労の仕組みも模索しています。
“体験すること”、に重点を置いて、相談から居場所活動や様々な体験活動、中間的就労と、ワンストップの支援体制を目指して活動しています。興味を持たれた方は、一度ご相談ください。

遊具 遊具 遊具

Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
4人

男性 女性
30代 1人 1人
40代 1人
70代以上 1人
Q. スタッフプロフィール
代表:約25年前、子供の不登校をきっかけに家族会を発足し、自宅を改装して「不登校生の居場所」を始める。2002年に篠山市へ引越したのを機に、高校生以上の年齢のひきこもる若者たちの居場所として「しゃべり場」を開設。自身も対人恐怖に苦しんだ経験を持ち、20年以上、不登校やひきこもりの若者に関わってきた。2005年に、活動の支援者の尽力によりNPO「結」が発足。2011年には、「ひきこもる若者たちの第三の道」として「遊び村」を開設。その管理・運営・接客や篠山特産の『黒豆」作りなどに、居場所の若者たちとともに取り組んでいる。兵庫県と篠山市の委託を受け、不登校・ひきこもりの相談員として活動中。
Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
社会の変化によって、不登校やひきこもりの若者たち急増してきたことに危機感を抱き、支援活動を続けてきました。若者たちが「元気になること」「希望が持てること」「生きている喜びを感じられること」、そして自己肯定感を高め、自信を持って社会参加ができるようになることを願って活動しています。就労などの”形の支援”ではなく”心の支援”を大切にしています。
Q. ホームページ
http://193.3web.jp/
Q. メールアドレス
asobimura@gmail.com
Q. 電話番号
 (090)1900-6932 (相談用携帯電話)
Q. FAX番号
 (079)550-5296
Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 21%
51%
親以外の家族 2%
その他 26%
Q. 上表「その他」とは
他の支援団体、市の担当者、保健師、スクールソーシャルワーカー、カウンセラー、自治会長
Q. 参加・利用している本人の特徴など
男女比は6:4くらい。30代が中心で、下は10代から上は50代。
[参加者は兵庫県の人が多いです。篠山市は車社会なので、次のステップで車の免許をとることを勧めることもあります。]
Q. 参加・利用している家族・親の特徴など[調査員が聞き取り]
家族会はもともとありましたが、信頼性を担保するために公的な篠山市の家族会と合体しました。すると参加者は減ってしまったので、今後はもっと家族会とコミュニケーションをとって力を入れていくことが必要だと思っています。
Q. 学校関係、行政、近所の人など、その他の利用者についてなど[調査員が聞き取り]
学校との関係では、相談に来られる親御さんが学校を批判していても、私たちは学校を批判しないようにしています。また、学校に戻るも戻らないもその子自身が決める事で、その子にとっての学校とは何かを大切にしています。家から出てこれない子に対しては、その子の背負っている強迫観念や焦りなどを軽くするように、自分の意志で出れるように自由にしてあげるようにしています(「落とす」支援)。ひきこもり全体に対するマニュアルはないので、個別の支援が必要だと思います。

行政との関係では兵庫県のひきこもり相談支援センターの丹波ブランチも担っており、支援者・行政関係者・教育委員会などが参加している「ひきこもり検討委員会」をモデル事業として立ち上げたりしています。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/
documents/g_kaiken20140422_02.pdf

また、ひきこもり問題を家族問題にさせないようにもしています。国(社会)がひきおこした問題なので、その解決のためには(金額・使途などが)限定された市の支援よりも幅が広い国の支援が必要だと思います。

Q.活動を始めたきっかけ[調査員が聞き取り]
娘が不登校で、学校に行くかどうかはどうでもよかったのですが、孤立しないためにも人間関係だけは築いてほしかったので居場所がほしかった。しかし、その時代は居場所自体がなかったので、自宅を居場所にして活動していました。
その後、昔と今で社会が激変して、子ども社会もそれに伴って変化したと感じるようになりました(例えば少子化で兄弟が少なくなって、人間関係を築く機会が少なくなったり、ゲーム遊びなどの一人遊びが主流になるなどして、それがいやなことからの逃げ場所になっていました)。そこで、家にいてゲームする事よりも面白いものをつくろうと思い、「遊び村」を作りました。
もともと活動していた居場所では、居心地が良すぎて卒業できないなどの功罪もあったので、遊び村は簡単な作業や人間関係の構築などの一般社会にもつながることを含めて、自主性・自分の気持ちを大事にして次の一歩に進める・立ち止まらせないような居場所にしました。
遊び村は、問題を起こす場所(課題解決のために問題を顕在化させる場所)だと考えています。ほめるとほめられるために動いてしまうので、自分から動けるように、あまりほめることはしていません。むしろ、失敗したときこそほめるようにしています。そうして、なんでも食わず嫌いしないでチャレンジしてほしいと思っています。
また、参加者の状況に合わせて様々な支援ができるようにワンストップも大切にしています。
今後は参加者が(自主的に)遊び村で簡単なお店を開くことを目指しています。そこで自信をつけてほかのところにも行ければいいなと思っています。
また、地元の高校生に場所を提供して、自由な発想で遊び場を作ってもらうようなことも行います。
遊び村のほかにもいろいろやりたいこともありますが、自分の主である「遊び村」をないがしろにできないと思っています。
Q. 支援をしていて感じること[調査員が聞き取り]
もともと人と人とが結び合うという考えから、「NPO法人 結」という名前にしたように人間関係のつながりを大切にしています。
たとえ人間関係が苦手な子がいても、必要ないわけではないと思います。人間関係に興味があったからこそ、そこに触れて傷ついて苦手になったわけなので、人間関係は絶対に必要だと思っています。
その人の現状によって一人でいる時期が必要なこともありますが、必ず人間関係が必要となる時期は来ると思っています。
今後は、社会についていけない人が、一般社会で言われる「幸せ」の基準も変えて、ひきこもりでも生きていける「(一般社会とは異なる)社会」を新たに作ればいいと考えています。ただし、苦しさがないと楽しさはないことも感じてほしいです。
昔は受け皿として知り合いなどで自営業をやっている人が必ずいましたが、今は減ってしまって受け皿がなくなったように感じます。今までの支援では「答え」が出ていないので、これまでの支援とは転換することが必要だと思います。
Q. 連携について[調査員が聞き取り]
居場所の中でも参加者同士の連携(人間関係を築くこと)が必要だと思います。
支援者同士の連携では支援する側に参加者の関係性を広げようとする意志が必要で、参加者が居心地がいいから現状のままでいいという自己満足で終わらないことが重要だと、これまでの経験から思います。ただし、支援する側の連携で情報を提供するときには、信頼性を担保するためにも精査は必要だと思います。
私たちは、理念が違う団体に行ったとしても、初めから否定だけでは批判して終わってしまうので、何かいいところを盗もうと考えています。
・ 調査員感想
「遊び村」という名前の通りいろいろな遊具があり、しかも全て自分たちで廃材などから手作りだそうです。仕組みとしては単純な遊具が多いですが、多種多様なので一日中遊んでられそうです。ただし、単なる「遊び」にとどまることなく(一般社会にも通ずるような)作業も含まれており、しかもここでは利用者は意識することなく遊びの中で学んでいくのだと感じました。
立派な相談室、建物があるわけではないですが、実はその裏にしっかりとした幅広い支援があることは外から見ただけではわかりにくいかもしれません。「ほめない」「問題を起こす場所」という独特の考えが、その人に合うかどうかもありますが、代表さんがこれまでの経験を踏まえ、至らないところは真摯に反省した結果だと強く感じました。

(最終更新日:2019年6月15日)

2019年5月22日

お昼です!

Filed under: 奈良県,集まる・つながる — Kumono @ 9時38分42秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
お昼です!
Q. 主な活動場所
奈良市芝辻町2-11-16 圭真ビル401
奈良市新大宮駅下車すぐの「フリースペースSAKIWAI」をお借りして開いています。
外観 入口看板
Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の注意事項等
自助グループ 毎月第3日曜日
13:00~17:00
無料 情緒不安定な人は
参加不可

[会では「回復」するために来ているので、社会状況ではなく近況報告や経験を話すことを大切にしています(自分の経験を踏まえた社会状況ならよい)。「回復」とは世間体ではなく、自分自身が納得できる形での回復(毎日が楽しい、不平不満がないなど)を目指しています。似たような状況の人がやっているなら自分もできるだろうと思ってもらったり、自己紹介のネタ作りに少しでも当事者さんが新しいことをしてくれればいいなと思っています。小さな行動でも変化がある生活をしてほしいです。
当初は参加者の自主性に任せていましたが、一人が長時間話すことが多かったので、ある程度コントロール(参加者やテーマなど)した方が参加者にとってもいいと思い、現在の形にしました。テーマは、ストレス発散方法、平日の昼間のすごし方、昼夜逆転の直し方、親との関係などです。利用者さんも参加者だと思えるように、テーマはその場で話したいことを募集して決めることにしています。また、上下関係を付けず自分の意思で行動してもらうためになるべく助言をしないことにしています。]

Q 利用の際の条件
情緒不安定な人は参加不可。社会批評は禁止。詮索・批判・批評・口外禁止。
Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
 行動に繋がる集まりを目指しています。小さなことでも、批評ではなく行動する集まり。社会についての話よりも、自分についての話を大切にしています。経験の告白と近況の報告を大切にしています。他人の近況報告を聞き、真似できることがないかを探します。新しい行動に繋がる刺激の与えあえる集まりを目指しています。
Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
1人
Q. スタッフプロフィール
運営者「おいなり」(ニックネーム)のプロフィール
元不登校、元ひきこもり、現在パートで働いてます。昔から何でも避けて何も頑張らずにダラダラと過ごしてきました。勉強や部活や受験や就職を頑張らず、そのまま大人になりました。大人になってからフリーターで働きましたが、それも嫌になり、ひきこもりました。でも、サポステや自助グループや職業訓練などに通うことによってひきこもりから脱出しました。今は楽しく生活してます。
Q. ホームページ
http://ohirudesu.com/
Q. メールアドレス
info@ohirudesu.com
Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 100%
Q. 参加・利用している本人の特徴など
年齢層は30代が多く、ほとんど男性です。
[参加者は奈良中心です。大半はネットを見てきてくれます。ホームページに会の中でどういう活動をしているかオープンにしているのが参加しやすいようです。役所のホームページにも載っています。会は13時スタートですがいつ来てもいいので集まりは遅いです。参加者は初参加の人が多く、定着率は悪いです。ただ、数か月に1回という人もいます。
また、参加者は完璧主義(正社員しかダメなど)の人が多いので、それを緩和するようにしています。大きい目標で失敗すると挫折感が大きいので、小さいことを積み重ねて成功体験を重ねるようにしてほしいです。長い間活動していれば、行こうかどうか躊躇している人もいつか来てくれるだろうと思っています。
親御さんも来ることがありますが、自助グループなので会への参加はできません。参加者が集まるまで話を聞くというということはしました。]
Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 少人数で落ち着いています。
会場の写真は、「お昼です!」のウェブサイトに載せているので、それを見てください。
Q.活動を始めたきっかけ[調査員が聞き取り]
  活動開始は2013年からです。私自身それまでさまざまなひきこもりに関する活動に参加しており、同じように活動している自助グループの活動に参加したのがきっかけです。自助グループは必要だという声が多かったがほとんどが企画倒れでしたし、専門知識もいりません。それに、私自身もともとひきこもりで、その当時短期のバイトをしていましたが、お金の使い道がありませんでしたし、かかるのも部屋を借りる料金だけだったので始めました。
 ホームページやチラシ作りに職業訓練で学んだスキルも活かせますし、時間つぶしにもなりました。私が回復したのは運や環境によるところが大きいので、それを還元するためにも周囲も助けることが必要だと思っています。
Q.活動の特徴[調査員が聞き取り]
 交通費がかかるので、参加費は無料にして少なくとも交通費分を取り戻せるような活動を目指しています。例えば、安くて不健康なスナック菓子などを出すのではなく、果物や緑茶を出したり、新しい刺激や有意義な会話を提供するなどです。
 お昼です!の活動の特徴は、①(有意義な会話による)「回復」、②交通費分を取り戻せるような活動、③考えすぎない(相手の反応に過剰にならない)こと、④寄付金を集めないこと、だと思います。「居場所」ではなく、あくまでも「自助グループ(自助会)」だと思っています。変化を大事にして、役割をはっきりさせて、できないことはできないと言っています。目標を大きくせず、(金銭的にも)自分のできる範囲内で活動しています。
Q.活動していてよかったこと[調査員が聞き取り]
 よかったことは、役所の人にほめられたことです。また、ホームページ更新などで時間をつぶせることです。余った時間をいいことに使っていると誇れますし、罪悪感を覚えないです。活動自体を堂々と言えるし、仕事で疲れたときはしんどいですが活動は楽しいです。
Q.「お昼です!」という名前の由来[調査員が聞き取り]
 「お昼です!」という名前の由来は、当事者さんは昼夜逆転でお昼まで寝てる人が多いので、「お昼ですよ」と知らせるためにつけました(「朝です!」ではないです)。まじめにゆるーく継続的に活動するという趣旨です。つぶしたらダメという気負いもありません。
Q. 今後の課題・目標など[調査員が聞き取り]
 今後の目標としては、参加者を多くしてなるべく頻繁に継続的に来てほしいです。
・自由記述
 社会を批判しても、社会が変わるのには時間がかかります。社会を批判するにしても、批判しながら、今の自分にできることをしないと自分の状況は変わりません。いきなり大きなことはできません。全く何もしないか、大きな行動し大きな成功をするか、の0か100かの完璧主義では、安心できません。小さな行動でも、大きな成功に近づけます。全く何もしないよりは遥かにいいです。
行動すれば失敗もあります。行動しなければ失敗はありません。でも、行動しない事自体が失敗なんです。そんな人には他の人の行動を批判する資格はないです。ひきこもりも長期化すると、だんだん自分に自信がなくなり、自分のことが言えなくなります。そして、自分を出さずに、自分の劣等感を消せる社会批判を始めます。でも、それはとても虚しいことです。世界のこれからの進むべき道を説くことより、自分のこれからの進むべき道を考えたほうが良いです。「自分はダメだ」と思っても、「社会はダメだ」と思っても、何も変わりません。
小さなことでも、しないよりはマシです。小さな行動でも自信に繋がります。お互いに、経験を告白し共感し、近況を報告し刺激し合いましょう。新しい行動に繋げ、新しい自分を見つけ、楽しい毎日を一緒に送りましょう。
・ 調査員感想
・調査員1
奈良にはひきこもり支援団体が少ないので、貴重な団体だと思います。代表さんは活動自体はのんびりしていると言っていますが、理念や趣旨はかなりまじめで熱意があると思います。段階としては「ひきこもりの重症期を抜けて、少し社会に出ようとしているがなかなか難しい人」向きだと思います。「居場所」ではないので、ある程度語ることが必要で初めての人はそれが難しいかもしれませんが、それによって自分の中で整理して相手の話を聞くことで刺激にもなるのだと思います。・調査員2
代表者さんは、軽やかに運営をしている印象を受けたが、活動理念はしっかりしていると感じた。活動の緩さと厳しさのバランスが絶妙。自らの活動を「居場所」ではなく「自助グループ」と定義するとこには、「回復」への(良い意味での)こだわりがあると思う。世間体ではなく、「自分自身が納得できる形での回復」は、実行するのは実は難しいところだが、お昼です!は実行のためのプラットホームとなっているのだと思う。

(最終更新日:2019年5月22日)

2019年5月8日

特定非営利活動法人 神戸オレンジの会

Filed under: 兵庫県,学ぶ,相談する,集まる・つながる — Kokushi @ 10時39分51秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
特定非営利活動法人 神戸オレンジの会
Q. 主な活動場所
兵庫県神戸市兵庫区羽坂通4丁目2-22
[JR兵庫駅から徒歩約5分。ビル一棟全てを神戸オレンジの会で使っている。1Fには神戸市から受託している神戸市ひきこもり地域支援センター「ラポール」があり、2Fには応接室やパソコン部屋、喫煙ルーム、3Fに卓球台やゲーム類の置かれた居場所があり、4Fには陶芸用の焼成炉や、和室やキッチン、相談用の応接室があります。]
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の注意事項等
居場所 火曜~土曜 11:00~18:00 神戸市民は無料(他市町の方はお問い合わせください) 概ね20歳以上の方 まずはお問い合わせください
家族会(親の会) 主に第4日曜 午後 入会金1万円 月会費6千円 まずはお電話にてお問い合わせください
心理カウンセリング 月2日 1日3コマ 家族会員千円 会員外5千円 お電話にて要予約
医療相談 月1日 1日1コマ 家族会員千円 会員外5千円 お電話にて要予約
理事長の個別相談 月2日 1日3コマ 無料 居場所利用者・家族会員限定
神戸市ひきこもり地域支援センター「ラポール」 火曜~土曜 10:00~18:00 無料 神戸市からの委託事業のため、神戸市民限定
神戸市ひきこもりサポーター養成講座 全10回/1年 無料 神戸市からの委託事業 詳しくはお問い合わせください

[神戸市在住でない当事者は利用に家族会と同じ費用がかかります。費用の金額は家族単位です。在住の市町村から許可が出れば無料になることもあります。ただし、精神的疾患や障がいがなく、ひきこもり状態であるというだけでは許可がおりることは稀なので前例はないとのことです。

・居場所について
居場所はほぼ毎回イベントが催されています。
カレンダーは毎月固定のプログラムと、突発的なイベントを組み合わせて1カ月ごとに製作されています。料理dayが1番人気です。

・心理カウンセリング、理事長の個別相談、医療相談について
時間は心理カウンセリング、理事長の個別相談の1コマは約50分、医療相談の1コマは約30分。
利用者は卒業するタイミングを自分で決めることができます。また、卒業後のフォローアップとしてOB,OG会的な集まりもあります。
医療相談は精神科医が行っています。相談内容としては「精神科医療を受診することが有効かどうか」や「セカンドオピニオンに行く際に、あらかじめ相談する事項を整理しておく」といったものです。ただ、精神科医が行っているといっても、いわゆる医療行為である「診察」ではなく、医療行為ではない「相談」であることに留意して欲しいとのことです。

・神戸市ひきこもり地域支援センター「ラポール」の活動について
神戸市在住の方のためのひきこもりの1次相談窓口。H21年から神戸オレンジの会が神戸市より受託しています。全年齢対象で、ひきこもりかもで相談していただいてかまわないとのことです。
電話やメールでの相談、予約の上で行う月1回50分の来所相談が可能です。

・神戸市ひきこもりサポーター養成講座について
参加者は当事者の親やひきこもり経験者が多いですが、受講は神戸市在住・在勤・通学の方なら誰でも可能です。
傾聴などのテクニック的なものを学んだり、ひきこもりに対する理解を深める講座も行いますが、主に“当事者の存在を肯定する”ことを学ぶことを主としています。]

 Q. 利用の際の条件など
手帳は持っていても、持っていなくても構いません。年齢は概ね20歳以上。
 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
 ひきこもりについては、【ご本人がその人に合った形で、人・社会とつながること】と、【経済的基盤を確保すること(制度・サービスも活用して)】が大切だと思います。神戸オレンジの会では特に【ご本人が人とつながる場】として、居場所活動を行っています。
居場所は「いつ来てもいい、いつ帰ってもいい」「毎日来てもいいし、何か月かに1回でもいい」「プログラムも、参加してもいいし、しなくてもいい」といった、ゆるい感じでやっています。この方が参加しやすいと考えているからです。
ひきこもりは、誰かを求め、その人とつながり、誰かから求められ、その人とつながることで終わると思っています。
神戸オレンジの会の居場所が、そういう場になればいいと思っています。
 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
20代 1人
30代 2人
40代 1人 2人
50代 2人
60代 1人 1人
  Q. 専門資格・免許など
公認心理師・社会福祉士・精神保健福祉士・臨床心理士
  Q. スタッフプロフィール
 もともと「ひきこもりの子どもを持つ親」が集まって作った会です。
現在の代表者は、ひきこもり経験はありませんが不登校の経験があり、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を持つ者が務めています。
スタッフは、ひきこもっている人を家族に持つ人や、専門的な勉強をした後、ひきこもりに関心があって参加した者たちです。
 Q. ホームページ
http://www.kobe111.jp/
 Q. SNS等
Facebook https://www.facebook.com/npokobeorange
 Q. メールアドレス
kobe.orange@gmail.com
 Q. 電話番号・FAX番号
078 (515 ) 8060
 Q.最初の相談者の割合について
属性 割合(%)
本人 60%
40%
 Q. 参加・利用している本人の特徴など
 居場所を利用されている方の年齢層は、20代~50代までいらっしゃいます。男性が8割女性が2割です。
居場所では、テレビゲームをする人、ボードゲームをする人、麻雀をする人、おしゃべりする人、陶芸をする人、パソコンでネットを見てる人、静かにマンガを読んでる人、何かの勉強をしてる人、などなど様々です。
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 すごくキッチリ片付いている、というよりは、なんかいろいろ置いてある、という感じですね。もともと家族会なので、支援機関雰囲気としてはゆるい感じだと思います。

 Q. 参加・利用している家族・親の特徴など
 家族会は、母親の参加が多いです。年齢層としては、50代~70代の方が多いです。父親の参加は少ないです。そのため、「親父の会」を始めました。まだ参加者は少ないですが、続けていきたいと思っています。
理事会は父親が多いです。年齢層は母親と同じくらいです。
きょうだいの方の参加はまだ少ないですね。これからご参加頂ければと思っています。
 Q. 家族・親が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 基本的には、なごやかな雰囲気ですが、親の会では辛い話も出てきます。神戸オレンジの会はもともと親の会から始まっている自助グループなので、辛くても親御さん同士が気持ちを支え合っていけたらと思っています。
今のところ、ご本人達と親御さんが交流する機会は少ないです。もう少し増やしていければと思いますが、親御さんがご本人に根掘り葉掘り尋ねると、ご本人が辛くなるだろうし、加減が難しいと思います。
 Q. 学校関係、行政、近所の人など、その他の利用者について
 神戸市や兵庫県のひきこもり行政に携わっている方々と意見交換する機会があります。
また、神戸市から受託している「神戸市ひきこもり地域支援センター ラポール」には、学校関係者やご近所の方、行政の窓口の方などからもご相談があります。
 Q. 名称について[調査員が聞き取り]
現理事長は創設者ではないので「伝聞では」とのことでしたが、「ひきこもりは未完(みかん)の大器→ミカン→オレンジ」というところからのネーミングらしいです。
 Q. 活動時期について[調査員が聞き取り]
 平成11年より活動を開始。平成13年から現在の場所へ。平成13年には神戸には既にフリースクールがあった。しかし、利用者は20才ぐらいで卒業となるので、そこを卒業した後の行先がなく、卒業後に無理やり働かせるのは有効ではないとの見解に至り、社会と関わることに不安を覚える若者の社会と深く関わるまでの、ワンクッションの場にしたいとの思いから始まった。(頂いた資料を参考に)
 Q. 利用者さんへの聞き取り[調査員が聞き取り]
Aさん
大学を卒業後すぐに就職したが、幹部候補としてごく短期間に様々な部署を周ることとなり疲弊し、休職。うつ病と診断される。その後ひきこもりの期間も経て、他支援機関の紹介で神戸オレンジの会を知る。
「ここにはアニメやゲームといった共通の趣味を持った方が居て、話ができる。」とお話して下さったのが印象的でした。

Bさん
小中学校でいじめ被害に遭い、不登校になる。19歳の時にカウンセラーの紹介で神戸オレンジの会を知る。この折カウンセラーからは「同年代の人がたくさんいる」と言われたが、来てみたら「年上ばかりで完全に詐欺だと思った」とのことで、振り返って笑いながらその話をしてくれた姿が印象的でした。
「ここには一緒にアニメや声優の話ができる方が居て、同じ興味を持つ人同士で友人宅に泊まって、一緒にお酒を飲んだりすることもある」とのことで、居場所での付き合いが、居場所の外にも広がっている様子を感じることができました。

Cさん
ひきこもっていた時期に母の知人からいくつかの支援機関の情報を聞き、その中で最も近かった神戸オレンジの会に来所。
人数の少ないパソコンルームと、比較的人の多い見学時には最大で6名の方が利用メインの居場所スペースとを、使い分けて自由に過ごせることは良いことだとのお話をして下さいました。現在はお仕事の残業で来所時間が遅くなり、人の多い部屋にはあまり行かないとのことでした。
本人の気持ちの状態によって、様々に使い分けができる部屋を持っていることが、神戸オレンジの会さんのひとつの強みなのかなと感じました。

・ 調査員感想
 神戸オレンジの会は親の会を原点とする支援機関です。4階建ての鉄筋コンクリートのビル1棟まるごとが居場所という面白い特徴を持っています。地域活動支援センターや、ひきこもり支援センターを神戸市より受託する事で、スタッフの人件費や設備費、賃借料等の運営費をまかなっています。NPO法人ですので内閣府のホームページから過去年度の全ての予算書等の書類を閲覧することができます。今回の聞き取り調査では、ここで理事長を務める方に約90分の聞き取り調査を行いました。
理事長さんは昭和40年代後半生まれの男性で、現在社会福祉士・精神保健福祉士として神戸オレンジの会の支援現場に自ら立たれています。とりわけ印象的だったのは、終始朗らかな態度と口調の中で、神戸オレンジの会の「何もしなくても、ただ居ていい居場所」を守り抜くために、強い信念を持たれて実践されているということが感じられるいくつかのお話でした。「利用者に掃除や片づけをしてもらうかどうか」について、スタッフ内で議論になったというお話は、そのことを象徴するエピソードの一つです。この議論の中で理事長さんは「ここでは「訓練的」なことは一切させない」と、強く主張して、ルールにしてしまうことを防いだと言います。「訓練的なことを別に批判するつもりはない。ただそれを望むなら、他にやっているところがいくつもある。うちではやらせない。」ともお話されていました。動詞が「やらない」ではなく、「やらせない」というところにも、この「ただ居ていい」居場所を維持するために、支援者の立場から不断の努力をしていることが感じられました。
また年末年始、お盆の時期を除き、1日6時間、週5日火土必ず開いているというのも大変魅力だと感じます。 一方で、この居場所に通うためには原則として会費6千円/月家族単位が必要で、初年度は年会費1万円を含めると8万2千円年かかります。
オレンジの会さんの側では、神戸市から補助金を活用する事で、神戸市内在住の方にはこの負担額をゼロにしており、とても素敵なことだと思いますが、居場所が魅力的である分、通える可能性が家庭の経済事情≒家庭環境や居住地という部分によって差が出てしまうことは、悩ましいことだなと思いました。理事長さんは調査員からの「これからの活動の展望ビジョンについて」の質問に、「絶対的に、こぼれ落ちている、助けが届いていない人の方が多い。」と今のひきこもり当事者の置かれている状況を分析し、その上で、「自分にはひきこもっている人の悩みはわからない。当事者じゃないのだから簡単にわかるはずがない。本人が悩みに悩み抜いていることが、経験の無い自分に簡単に分かるはずがない。」と言います。そして「そんな自分が簡単に訪問なんてできるはずがない。それはわかっている。が、それでも、探したいし、ノックだけはしたい。そうしたいと思っている。今はまだ私自身や社会が本人たちに繋がる力が足りていないのでこぼれ落としてしまっているが、丁寧にノックをする人が沢山いる世の中にしていきたい。それがソーシャルワーカーのプロとしての自分の想いだ。」と、深く葛藤しながら話をして下さいました。(調査員1)

理事長の人柄や組織の方針により、活動に参加することが社会適応訓練に位置づけられていないので、ちゃんとしなければ!と気負う必要もなく、自身が利用したり当事者・経験者に紹介をする際、安心してできる場所だと思った。
利用者登録をし続けている限り最大週5日、6時間も施設を利用できるのは、就労したら自動的に“卒業”してしまうところと違い、当事者の悩みをよく理解してくださっていると感じた。
兵庫駅から徒歩5分で、駅周辺にレンタルショップや本屋があり、安価でランチを食べられるお店もあるので(wifiも無料で利用可能)、活動的になった人にとっては施設だけでなく立地的にも申し分ない半面、駅から向かう経路の中には人通りの少ない場所があまりなく、人の多さや街の雑踏が苦手な人、しんどい人にとっては通うのに難儀するかも。
冬は六甲おろしが吹きすさび、道中はとても寒い。
年7万2千円の利用料をいまの自分が払うことは難しいので、自分が神戸市に住んでいるか、別の市町村に住んでいても、親の理解をしてくれて、利用料や交通費その他諸々を負担してくれるのなら、是非とも利用したいところだと思った。(調査員2)

(最終更新日:2019年5月8日)

2019年4月26日

NPO法人青少年自立支援施設 淡路プラッツ

Filed under: 働く,大阪府,相談する,集まる・つながる — Kumono @ 22時34分16秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
特定非営利活動法人 青少年自立支援施設 淡路プラッツ
Q. 主な活動場所
大阪府大阪市東淀川区下新庄1-2-1
[阪急淡路駅から5分。周辺は閑静な住宅街で、駐車場はありません。
1992年発足(元々は商店街で親の会として発足) 1994年現在の物件に移転(HPより)
1Fが事務所、2F、3Fが各2、3部屋あり、居場所として使用しています。]
 Q. その他活動場所
・南河内プラッツ:大阪府河内長野市本町19-6トキワ荘7号室
・大阪市不登校児児童通所事業(サテライト東淀川)(サテライト旭東)
(スタッフは淡路プラッツのスタッフと共通)
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の
注意事項等
面談 50分 8500円 初回親ごさんのみ
6000円
居場所 火曜
(10:00~18:00)
水曜
(13:00~17:00)
金曜
(13:00~20:00)
のうち2日活動
【月8回】
月:51000円 最初の3ヶ月:35000円
(プレメンバー期間 週1回)
トライアル
ジョブ
(就労実習)
1回
2時間×8週
1事業所
あたり
5000円
メンバー登録後に
スタッフと
相談のうえ実施

・居場所に関して
料金の月51000円には、本人面談、親御さん面談、親の会含みます(旅行など実費は除きます)。安いか高いか難しいところですが、それに相応しい関わりをしながら、価格は現状維持ができればと考えています。また料金を払うのは基本的には親御さんになるので、家族ごと淡路プラッツに関わって頂くのを基本としています。
料金支払いの時系列は、「初回面談(6,000円)」→「面談(8,500円×回数分)」→「最初の3ヵ月(35,000円×月)」→「居場所(51,000円×月)」となり、丁寧に説明をしています。
ただこれらお金のことは親御さんと話すことで、当事者本人にはお金のことをあまり意識してもらわないようにしています。

・トライアルジョブに関して
居場所利用者さんにのみ提供しています。初回はスタッフ完全同行、2回目の実習ではスタッフが先に帰り、3回目の実習では利用者さんが先に行くなど徐々に自分一人で仕事ができるよう支援し、最終的に5回目以降は完全に一人で就労実習できることを目指しています。スタッフは利用者さんが実習を終わるごとに行う振り返りをサポートし、実習先と利用者さんとの間に入ってフォローも行います。
過去には委託事業としての就労実習のみを利用している人もいましたが、信頼関係が構築されておらず、スタッフが特性を把握しきれていない人には困難もありました。現在ではプラッツを利用して、半年、1年経過した利用者さんに、トライアルジョブプログラムを実施しています。利用者の強み、弱みがわかっているので、利用者の個性に合わせて実習先を選択(コミュニケーションが求められる職場、黙々と作業する職場など)するので、継続率は上がっています。ドタキャンもありますが、ほとんどの利用者がやりきっています。
一回目のトライアルジョブでは利用者さんが「ものすごく緊張して眠れませんでした」と徹夜で来ることもあります。就労実習を通して、生活リズムの改善など別の課題が見えてきます。就労へのイメージを持ってもらうことも大切で、トライアルジョブを通して、自身の別の課題と向き合ってもらっています。

 Q 利用の際の条件
・(精神)手帳(所持)の人は居場所利用希望の場合、要相談ですが、断っていることが多いです。デイサービスなど、医療のサービスを紹介することもあります。プラッツ利用中に手帳を取得するケースもあります。個別対応は行います。淡路プラッツでは初めての面談は親御さんとスタッフのケースが多いので、親御さんとの面談で利用希望者が精神障害圏の疑いが明らかに強い人は投薬による改善など、医療的処置を勧めます。Drの許可を得た場合は、居場所を利用する場合もあります。

・発達障害の場合は、(よほど重くない場合)要相談のうえ、居場所利用の中でコミュニケーション、人との関りを学んでもらい、対人関係の改善方法を考えます。必ず利用者さんには担当スタッフがつき、2週に一度くらい個別面談を行い、利用者自身の強み弱みを利用者さんとスタッフがともに考えています。居場所に入ってもほったらかすわけではありません。

全ての人と仲良くする必要はないと思います。友だちができる場所ではないことも伝えており、苦手な人がいても生きていける力を身につけるようにしています。

 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
 「親の会」から立ち上がり20年以上の支援実績を持つ当法人は、現在も親ごさんとスタッフが協力して運営するスタイルで、「居場所」を中心とした若者自立支援の場であると共に、親ごさんにとっての「居場所」になることも目指して活動しています。具体的には、親ごさんとの関わりを中心とした「アウトリーチ(出会いのための)支援」を入口として、面談・講座・親の会・訪問等のメニューを通じて、「居場所支援」への移行を目指してご家族と一緒に取り組んでいきます。
「居場所支援(=生活支援)」では“レクリエーション”、“コミュニケーション”、“日常生活体験”を通じて様々な経験や人との関わりを積み重ね、若者のペースに応じた伴走型のサポートでそれぞれの社会参加や自立に取り組んでいきます。もちろん、この「居場所支援」期間はあくまで通過点であり、その先の「出口支援(自立・就労)」を念頭に置いての関わりですが、ひきこもった経験を持ったり自信を失った若者たちにとっては、まず“自立を支える基本の力、気持ち”を獲得するために一歩一歩と着実に進めていくことが何よりも大切だと考えています。
目まぐるしく変化する時代や社会情勢の中で、若者の生き方や働きの方モデル、及び家族のあり方や役割のモデルもまた多種多様化しています。来たるべき未来に若者・家族が安心できる“豊かな生き方”を一緒に創り出していくこともまた当法人が目指す大切な支援の形です。
 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
20代 1人 1人
30代 2人 2人
40代 2人 1人
50代 1人

役員7名(理事長含む)。
現在常勤7名、非常勤3名。利用者からスタッフになった人はいません。スタッフ10名は元利用者の親が淡路プラッツの役員として関わり、淡路プラッツの方向性に関与しています。

  Q. 専門資格・免許など
臨床心理士、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアカウンセラー
 Q. スタッフプロフィール
 23年前に「親の会」が立ち上げた団体であることから、継続的に元利用者の親御さんを役員として選出していることで、その時々のご家族の意向に沿った形での関わりを意識しています。上記の有資格者やボランティアさんも含め、スタッフ全員で「居場所」での活動や親ごさんとの関わりを行っています。本来淡路プラッツでやるべきことをおろそかにならないように意識しています。「居場所を守ることを意識する」
 Q. ホームページ
http://www.awajiplatz.com/
 Q. メールアドレス
awajiplatz@gmail.com
 Q. 電話番号・FAX番号
06ー6324ー7633
 Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 5%
90%
親以外の家族(親戚、祖父母など) 5%
 Q. 参加・利用している本人の特徴など
 居場所利用者は10代~40代で男女比7:3か8:2ぐらいです。時期により変動しますが、人数は15~16名を推移しています。利用者の平均利用期間については「1年はかかりますよ」と説明していますが、実際は2、3年かかります。利用期間に年齢、性差はありませんが、ひきこもっていた期間が長いほど利用期間も長い傾向にあります。過去には淡路プラッツ利用期間が10年の人もいました。(今は利用期間が長くなりすぎないように、どこかにつなぐ、押し出すようにスタッフ全員で意識しています。ただ最初から就労の話をするとしんどくなるので、最初の半年、1年、トライアルジョブを受けるまでは就労の話はほとんどしません。)
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 なごやか、ゆるゆる、ぼちぼち、まったり 来やすい居場所になることを心がけています。初めて居場所を利用する利用者さんが居やすいように、他の居場所利用者さんに声かけをするなど、スタッフとメンバーみんなで来やすい居場所を作っています。徐々に居場所滞在時間を増やしていき、遊びやボーリング、カラオケなどを通して、自分の苦手な人との付き合い方や、弱みを分かっていければいいなと思っています。働く前の土台作りに約1年かかり、本人が「何がしたい」かを自覚するまでまた約1年かかります。本人の意志がでてきたら、トライアルジョブの話を考えます。
外観 外観 居場所居場所 居場所 居場所
 Q. 参加・利用している家族・親の特徴など
 利用料金がかかる都合、経済的に比較的余裕のある親御さんが多いです。夫婦で同居しており、いずれか、あるいは両方が現在も働いている家庭からの相談が多く、年齢層は50~60代が中心です(若者の年齢に親御さんの年齢が比例する) 。
 Q. 家族・親が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 親がしんどいと子供もしんどくなるので、「肩の荷をおろしてゆっくりやりませんか?」をモットーに、親御さん自身の人生を明るく考えてもらえるように、笑って帰ってもらえるように、面談でも講座でも心がけています。 親の会の雰囲気は、参加者にポジティヴで元気に、明るくなってもらうように心がけており、パワフルな親御さんに会を作ってもらっています。 この親の会にはあまりスタッフはタッチせず、司会も親御さんに任せています。問題は深刻だけど明るくやっています。
・ 調査員感想
 淡路プラッツは、行政からの委託ではなく、建物を自前で所有している支援機関。居場所として複数の部屋が使え、備品も非常に充実していると感じた。一方で民間支援機関ということもあり、一か月あたりの費用は比較的高めだと感じる。最初はスタッフと親の間での面談からスタートするため、本人を家から居場所に連れてくるアウトリーチ等のスキルも経験として蓄積されていると思われる。
「本人のやりたいことが出てくるまで、約1年間は就労の話をしない」とのスタッフさんの言葉が印象的で、自我を回復し、自分の意思が芽生えるまで淡路プラッツのスタッフは「待つ」。このような「待つ」事が可能な背景としては、一定の利用料を受益者負担で徴収する民間の支援機関であることが挙げられる。公的支援機関のように、単年度ごとに就労実数を成果として求められることがないことは、スタッフの相当の忍耐や覚悟と合わさって、長期引きこもり状態から回復するための優れた支援サービスを提供しているように思われる。
また利用者同士での遊びやコミュニケーションを通じて得た自信、スキルを、トライアルジョブにつなげていく方向性は、既に自身で動き始めている当事者よりも、どちらかというと現に引きこもり状態にある当事者が、そこからの回復の第一歩(最初のステップ)として利用するのに最適な施設の1つであるという印象を持った。

(最終更新日:2019年4月26日)

2019年4月10日

NPO法人 教育相談おおさか

Filed under: 大阪府,学ぶ,相談する,集まる・つながる — Kumono @ 20時19分12秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
NPO法人 おおさか教育相談研究所
Q. 主な活動場所
大阪府大阪市天王寺区東高津町12-14
[地下鉄谷町9丁目駅、近鉄大阪上本町駅11番出口から徒歩2分。周辺は歓楽街で、人が多いです。専用の駐車場はありませんが、近くに「タイムズ」(時間貸駐車場)があります。]
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の
注意事項等
相談室での相談 月曜~金曜
10:00~18:00
土曜
9:00~17:00
事業活動協力金として、1時間メドで3000円 なし
訪問 随時 同 3000円
学習支援 随時 同 3000円
家族交流会 随時 1回300円 当法人相談来談者の家族の交流会

[訪問は極めてまれですが、随時しています。学習支援も同様です。最近いろんな機関とつながるようになってきて、学習支援のニーズが多くあることも分かってきました。元教員の特徴を生かしていきたいです。また、当法人に相談された方と相談中の方を対象に家族交流会隔月に開催し、定着してきています。]

 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
 相談は登校拒否・不登校、社会的ひきこもりが中心であるが、学校生活や進路の問題も含めて相談に応じている。当法人の相談統計から見える最近の特徴は、小中学生の登校拒否人数が急増していること、高校生も相変わらず多い。さらに20歳代のひきこもりが相談中最も多く、また30歳代以上の相談が増加している。つまり、小中学校、高校、20歳代、30歳代以上の各年齢層に分布が広がっている。その原因について、研究所として分析も行っているが、小中学校の子どもたちをとりまく教育と生活環境が貧困と格差の問題、学力テストを始めとする競争と管理の教育によって学ぶ喜びが奪われ、それが校内暴力の増加にも表れ人間関係が崩れる状況にあること、また登校拒否から社会的ひきこもりへの移行や、社会参加から退避せざるを得ない若者など、子ども若者の生きづらさがいっそう深刻になっている。この事態を打開しない限り、登校拒否、ひきこもり問題はさらに深刻さを増すであろう。当法人は、子ども若者の困難の原因となっている教育と社会環境の改善をはかり、未来に希望ある生き方が可能となるよう努力し活動している。
 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
70代以上 2人

 相談員は元小学校・中学校・高校・特別支援学校の退職教員26名。臨床心理士の資格を持つ人もいます。

 Q. スタッフプロフィール
・当研究所理事長・相談員:大阪府公立中学校立教員、大学非常勤講師を歴任
・当研究所監事・相談員:元大阪府立高校教員、大学非常勤講師を歴任。
[設立1985年から30年以上のベテラン相談員もいる。元教員で構成しているので他のNPOとは違う特徴があり、その特徴を生かすことを考えている。各NPOの持っている特色を生かしながら連携していくことが大事で、学校現場に役に立つような機関であるよう活動している。
 学校の先生方は多忙のなかで子どもたちに向き合う時間が困難になっているもとで、学校における登校拒否・不登校問題の対応について、NPO教育相談が手助けになればという思いがある。教育現場の多忙化緩和のために教育条件の改善、少人数学級や教員の定数増のための活動も行っている。
 2016年に発行した学校の先生方の調査協力を得て「登校拒否・不登校の対応についてのアンケート調査報告」も全国的な評判のもとで普及に努めている。]
 Q. ホームページ
http://kyoiku-sodan.main.jp
 Q. メールアドレス
kyoubun@minos.ocn.ne.jp
 Q. 電話番号
06ー6762ー0232 火曜、金曜 14:00~18:00
 Q. FAX番号
06ー6768ー2527
 Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 5%
90%
親以外の家族 5%

 学校の先生が来られるときもあります。また、「親以外の家族」は、祖父母が孫についての相談や、おじ・おばの来談などがあります。

 Q. 参加・利用している本人の特徴など
 活動理念でも述べたとおり、年齢は学齢期から40歳代まで広範囲にわたっている。男女比率ではほぼ7:3と男性が多い傾向が続いている。
  当法人では、学校での学びが面白くない、楽しくない、人間関係が難しくなっていると考えている。校内の荒れも大阪が全国で一位と、欲求不満やストレスを子どもたちが攻撃的に発散したり、学校生活から退避することになっていると思われる。小中高生、とりわけ中学生の相談の増え方に留意していく必要がある。社会的ひきこもりの問題もさらに困難を増している。30代以上のひきこもり相談など、今まで特徴といわれてきたことが我々の相談データからもいえる。
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 相談室は安心して相談ができるように、相談員の態度、言葉遣いにも留意している。ただ現在の相談室は狭く、広い場所の確保が課題である。
[写真は外観と相談室の様子です。]

外観

内観 相談室

 Q. 参加・利用している家族・親の特徴など
 相談来談者は主に母親ですが、両親で来られる場合もあります。
 教育相談おおさかの紹介リーフレットやホームページを見た方、「登校拒否を克服する会」の交流会に参加して知った方、新聞に記事や催し案内が掲載され、それを読まれた方、2014年から始めた府内の市・地域における「講演と相談会」で継続して相談を希望される方など、当法人を知る機会が増えるに伴って、当法人の存在が知られるようになってきています。
 Q. 家族・親が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 上記の「本人が参加する場の雰囲気」と同じです。
 家族が最大の援助者であることを相談の基本に、家族は相談員と共同の援助者となることを目的に相談を進めています。家族の悩みを解消し、当事者にとって家庭が安心・安全の場となるよう、親・家族のみなさんの気づきや変化を相談の目的に置いています。
 登校拒否・不登校、社会的ひきこもりの家庭は世間的にも孤立を深めていくため、親の交流会である登校拒否を克服する交流会」や「地域交流会」、教育相談来談の家族による家族交流会への参加をその都度案内しています。家族同士が悩みを率直に話し合うことは大変重要です。
 相談員も大阪や地域の交流会、毎年の全国交流会に参加して相談活動に活かすように努めています。
 Q. 学校関係、行政、近所の人など、その他の利用者について
 教育相談おおさかの事業に、府内各地で行っている「講演と個人相談会」に地域の交流会世話人、学校の教職員、社会福祉協議会、保健所、民生委員など幅の広い参加が広がってきています。
 「講演と個人相談会」の準備と広報活動で、学校現場、行政、地域の支援機関などとの関係も次第に深まり開催地域での教育相談おおさかの存在が次第に知られるようになってきている。活動拠点の大阪市に於いても、2019年度は市からの本事業に対する助成も得られるようになりました。
Q.活動を始めたきっかけ[調査員が聞き取り]
 「大阪教育文化センター」の事業として1985年に「親と子の教育相談室」が発足しました。学齢期及び高校生の子どもの相談が中心でしたが、10年前ごろから社会的ひきこもりの相談が次第に増加し、20歳代の相談が各年代のなかで一番多くなってきました。相談室だけで解決するのは困難であり、本人の回復状況によって次の支援機関、あるいは就労につながる道などの関係の支援機関と連携していく必要に迫られてきました。
 そこで、相談活動を基本におきながら法人資格を持って活動の幅を広げることとし、2012年4月に大阪教育文化センターから独立して法人格に移行しました。
Q.大阪で特徴的な問題[調査員が聞き取り]
 教育の問題では、とりわけ大阪では全国学力テスト成績の学校ごとの平均点競争、問題行動の程度を5段階に分けて指導するなど、テスト漬けの競争と管理の教育が進行しています。生徒にとっては学校が息苦しく友だち関係もつくりにくく、学びの楽しさが奪われています。こうした状態が、校内暴力の発生件数、中学校の不登校生がともに全国一位となって表れていると考えています。
 それに先生たちも競争管理教育のもとで多忙を強いられています。何より必要なことは教育行政が競争管理の教育を改め、少人数学級で先生が子どもと向き合う時間を確保するなどの教育条件を改善することが喫緊の課題です。
 さらに、子どもの貧困問題も大阪ではとりわけ深刻です。朝食をとらないで登校する子ども、ひとり親家庭の子どもに対して、学校では関係支援団体とつながって援助について努力されています。当法人も貧困問題についてネットワークの運動に参加しています。
Q.不登校とひきこもりへの対応について[調査員が聞き取り]
 登校拒否・不登校は上でも述べたように競争と管理強化の教育、子どもたちの生きづらさが進行しています。しかし忍耐も限界を超えそうになると、自らの身を守る為にその場から退避します。その行動は誰もが持つ自己防衛の本能であり、登校拒否の発現となります。しかし、本人は心は学校へ行かなければとの意思を持っていて、心と体の不一致に葛藤し、苦しんでいる状態におかれます。
 一般的に不登校とよばれる状態は、以上のような背景が本人の生きづらさを強めて、心と体の不一致の原因をもたらせていることから、登校拒否と呼んでいます。一般的に不登校の用語が使われていることから私たちは登校拒否・不登校と表現しています。
 ひきこもりは一旦社会に出たが、働く権利や個人の人権を無視したパワハラやブラック的労働環境のもとで、登校拒否と同様に自分の身を守るために社会参加から退避せざるを得ない状況に追い込まれます。しかし、本人は社会に復帰しなければならないとの意思を持っているが体が動かない。本人の葛藤の苦しみは登校拒否と同様です。
 また、ひきこもりが登校拒否からの移行のケースもかなり見られます。小学校から高校までは学校へ再登校という戻る場があるが、ひきこもりの場合は学校との関係がなくなると戻る場所がなくなります。
 登校拒否・不登校の本人への対応は、子どもが苦しみから少しでも楽になるように家庭が安心でき、安全な場所となる居場所となることです。そのために、親は今の子どもの状態を受け入れ、「この子はこういうように考えているのか」と共感的に分かろうとする立場に立って援助者となることが必要です。親は「ああしなさい、こうしなさい」と指示や「こうしてみたら」と先回りして子どもを動かそうとするのではなく、子ども本人が持っている回復力が発揮できるような援助が重要です。本人が回復力を発揮できるようになれば社会参加への道が開けます。安心感が膨らめば感情表現が自由になり、自己回復力を発揮して社会参加を考え始めます。こうした適切な対応と援助が果たされれば、登校拒否からひきこもりへの移行も防げるようになります。
 ひきこもりも社会的背景が主な要因で、社会参加から退避した状態であるから登校拒否の教育問題の背景と同様に社会的です。ひきこもりが社会参加からの退避と同時に社会復帰の意思を持って葛藤している状態を指すことから、私たちは「ひきこもり」を「社会的ひきこもり」と呼んでいます。
 私たちは以上のことから相談員と共同して、親や家族が本人への援助者となるように援助することを相談の基本に置いています。ひきこもりの相談は回復状態を見つつ、社会につながるスモールステップも考える必要があり、そのために、他の支援機関との連携を深めて居場所や中間就労への道が開けるように努力しています。
Q.活動の三原則とは[調査員が聞き取り]
 相談員は次の3つに原則として参加するようにしています。
 第1に、月一回の相談員(正会員)による相談員会議。会議と併せて相談事例の交流や協議を適宜行っています。
 第2に相談活動を始めたころから長期にわたって高垣忠一郎先生が相談の事例研究会にスーパーバイザーとして今も務めて頂き、相談力量の向上に努めています。
 第3には、「登校拒否を克服する会」(親のみなさんによって構成)主催の大阪の交流会や地域の交流会、全国の交流会、教育相談家族交流会に参加し、親のみなさんの悩みなどを聞き、相談活動に活かせるよう相談員の研修と力量向上のために参加しています。
 Q. 今後の課題・目標など[調査員が聞き取り]
 相談員は退職教員で構成されており、相談員の高齢化が問題となっています。早期の退職者が相談員となって理論と実際を研修し、相談活動の力量を高めて継続していくことが課題となっています。
 相談員が他の支援機関や団体との関係にも関わることも重視しています。ボランティアに近い相談員の僅かでも財政的な保障や、専任スタッフの人件費等、安定した相談室運営のための財政問題が困難な課題です。行政からの安定した制度としての助成を期待したいです。
 ・自由記述
 活動理念でも述べたように、子ども若者の生きづらさの背景は教育と社会の問題にあります。ここにメスを入れない限りこれらの問題は解決しません。教育・社会環境がますます子ども若者を苦しめる状況にあるとき、登校拒否や社会的ひきこもりはさらに増加が懸念されます。私たちは各支援団体の個別の支援活動をネットワーク的に連携し、社会や政治にアピールしていくことが必要だと考えています。
 また、いずれの支援機関も財政問題に常に直面しており、私たちの活動においても、さらに余裕のある広い場所の確保、事業活動のための安定した財源確保が課題です。個別事業への助成もありがたいですが、財政援助を制度として確立するよう、ひき続き行政と国へ要求していく努力が必要です。
・ 調査員感想
 「大阪教育文化センター」は「たかつガーデン」の4階にあり、このNPOの相談室はそこから徒歩1分のビルにあります(「Q.活動を始めたきっかけ」にあるように、現在は独立して活動しています)。相談員は元教員なので、教育や学校の現状への理解に努めつつに対する思いが強いが、相談はとても親身な相談を行っています。相談員は高齢者なので親との対応には慣れているでしょうが、若者については当事者との年齢のギャップで対応しづらくなっていると思います。そこを補うために事例研究等を行っているのだろうし、若者にも協力を得て、子どもたちの行きづらさを解消しようというバイタリティがあります。

(最終更新日:2019年4月10日)

2019年4月4日

NPO そーね

Filed under: 大阪府,学ぶ,集まる・つながる — Kumono @ 21時22分00秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
NPOそーね
Q. 主な活動場所
大阪府豊中市曽根東町1-11-51練心庵2F
[阪急曽根駅から徒歩5分。周辺は住宅街で、駐車場はありません。]
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の
注意事項等
当事者研究会 月2回程度
随時ウェブサイトやフェイスブックなどでお知らせします
各回
500円
特になし
そーね学術部 随時ウェブサイトやフェイスブックなどでお知らせします
ちゃぶ台カフェ 随時ウェブサイトやフェイスブックなどでお知らせします

[・当事者研究会:セッションの中で終わらせるのではなく、日常にも連続的に波及してほしいので日常的なかかわりの場として畑(家庭菜園)なども行っています。

・そーね学術部:「当事者研究」とは何だろうかということを他分野から横断的に研究していくことを目的に行なっています。いわゆる「当事者研究の研究」です。

・ちゃぶ台カフェ:そーねの大切なアイコンであるちゃぶ台を囲み、共に食べたり、読書会をしたり、ゲストのお話を聞いたりしながら、ちゃぶ台でつながり、ご縁を感じる会を開催しています。ちなみに最近は「イスラム」についての読書会で、当事者研究の「ギャップを認識する」という手法を文化・宗教を理解するのにも生かそうとする試みを行っています。]

 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
── あえて、生きづらさをワークする ──
NPOそーね は「当事者研究」などの取り組みをとおし、ここに集った人が、自分について、自分をとりまくつながりについて、一旦立ち止まってながめ、共に考え、研究していく。そんな場を提供したいと考えています。
カルテのある人も、カルテのない人も、自分自身で、共に。
 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
30代 2人 2人
40代 1人 1人
  Q. 専門資格・免許など
介護福祉士、ケアマネージャー、保育士、僧職
 Q. ホームページ
http://npo-sone.jimdo.com
 Q. SNS等
 

Facebook https://www.facebook.com/nposone
 Q. メールアドレス
renshinan.sone@gmail.com
 Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 80%
20%
 Q. 参加・利用している本人・親の特徴など
 年齢層も男女比もばらばらです。回によっても違います。当事者研究の団体ですので、当事者研究に何らかの興味、接点をもった方が来られます。引きこもり・不登校の当事者の場合もあれば、精神疾患をもつお子さんのおられる親御さんのこともあれば、ただ、どんなものだろうって思われた方もいれば、それぞれこられる経緯もばらばらです。また、継続的に来ていただける方もいれば、そうでない方もいます。
また、学校関係、行政、近所の人などに対しても特に制限はなく、むしろ積極的に利用していただきたいと思っています。
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 特にルール等は設けていませんが、当事者研究会ですので、見学されるにせよ参加されるにせよ、当事者研究の場になります。靴を脱いで上がってもらって、好きなところにすわってもらいます。ソファーやイスなどもあります。あとは、まんなかにちゃぶ台があって、ホワイトボードを使って当事者研究会は進みます。

外観 ちゃぶ台 内観

Q.活動を始めたきっかけ[調査員が聞き取り]
 スタッフ6人は、友人であったり、ある先生(僧)の授業で知り合ったりと元々つながりがありました。その知り合いたちが当事者研究をやりたいということを軸に結成しました。みんな色(個性)が強いので、代表が中心になるのが一番バランスがよくうまく回ると考えています。
それぞれが同じ目的で集まったわけでなく、それぞれの色・分野(発達・社会福祉など)が、当事者研究を軸に混じっているという感じです。
2014年2月から準備し始め、同年初夏に当事者研究の本家「べてるの家」に遠足ついでに行きました。実際の活動は、同年7月の『当事者研究の研究』という本の読書会がスタートです。
Q.なぜ一人の参加者としてほかの団体に参加するのではなく、コーディネーターとして団体を作ったのか [調査員が聞き取り]
 当事者研究の発祥地「べてるの家」とは、少し違う「当事者研究」の場を関西に作りたかったからです。べてるでは、発表者の方にホワイトボードの前に出てきていただき、インタビュー形式で苦労の展開図を作って、皆で眺め、他の参加者さんは、挙手をして質問や良い部分などを投げかけていく、という形をとります。
私たちは発表者と他参加者が明確に分けられている”べてる式”とは異なり、その垣根があいまいで、各々が意見を自由に語り、その中でテーマが出てくる・立ち上がってくることを期待して行なっています。当初よりターゲットやコンセプトは決まっておらず、活動する中で来る人たち(ターゲット)や理念(コンセプト)が決まってくる、いわばライブのような形で活動しています。当初から掲げている枠組みは唯一「カルテのある人も、カルテのない人も、自分自身で、共に。」というものだけです。
 Q.活動していて良かったこと[調査員が聞き取り]
 良かったことはいっぱいあります。自分が整理され、言葉にできなかったことが言葉になっていき、自分の言葉でなく他者の言葉で自分が言いたいことを言葉にでき、理解する喜びがあります。(『他者の言葉が、自分の言葉になる』)。
 Q.今後の展開(法人格の取得)について[調査員が聞き取り]
 法人格をとるかどうかは最初から議論がありました。当初は会計・規約等の整理、書類の準備等に時間をとられるので後回しにしていましたが、個人の責任では活動に限界があるので目下検討中です。活動の中で枠組み(理念や規約など)が決まっていく形なので、まだ明確には決まっていないというのが現状です。
 Q. 今後の課題・目標など[調査員が聞き取り]
 代表としては、活動を大きくしていくことです。そのために、メンバーの色のバランスを取って円滑に回るようにしています。また、参加者が「そーね」の空気感に慣れていって増えていくことです。セッションの中で終わらせるのではなく、日常にも連続的に波及してほしいです。そうした当事者研究的な考えを広げたいと思っています、「あらゆる仕事場をこの空気感で」というように。
 ・自由記述
ー弱さの情報公開ー
言葉にならないけど、なにか想うことがある、感じることがある、だけど、それをうまく周りと共有できない。つながりたいけどうまくいかない。つながっているけど苦しい。
そんなとき、それをことばにできれば楽になるんだろうけど、ことばにするって簡単じゃない。そばにいる人がなにかを思っているよう。なにか苦しんでいる。でも、話してはくれない。いろいろ想像はするけれど本当のところはわからない。
当事者研究はそれらの悩みに直接答えてくれるわけではないけれど、「研究」してみるといままでにはなかった発見があってそれが新たな道をひらいてくれるかもしれません。
・ 調査員感想
 「当事者研究会」ということだったので、当初は硬い雰囲気かなと思っていましたが、実際はイメージとは少し違っていました。確かに「研究」という側面もありますが、『他者の言葉が、自分の言葉になる』という言葉のように、「自助会」の側面も持っていると感じました。参加者の方々もその雰囲気にひかれて行っているようです。「研究会」らしく発言も求められるので苦手な当事者は初見では難しいかもしれませんが、そこはスタッフの方が優しくフォローしてくれますのでご安心を。

(最終更新日:2019年4月4日)

2019年3月30日

NPO法人 フォロ

Filed under: 大阪府,学ぶ,集まる・つながる — Kokushi @ 13時03分00秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
特定非営利活動法人 フォロ
Q. 主な活動場所
大阪市中央区船越町1-5-1
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の注意事項等
居場所 土曜日14:00-21:00 700円 18歳以上
当事者研究 毎月第2月曜日13:00~17:00(変更の場合もあり) 500円 18歳以上

[居場所はサロン的なものだそうです。
居場所活動周辺のさまざまな企画があります。
「づら研」:生きづらさからの当事者研究
「もじにわ」:インタビュー冊子。編集作業は山下さんが担当。
ネットラジオ企画:関東など各地からの反応もあります。
セミなどの昆虫、シュールストレミングなどを食べる「食べづら研」などなど。]

 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
 「なるにわ」という名前で、毎週土曜日の午後に、お庭のような場を開いてます。なるにわでは、就労支援やひきこもり(から抜け出るための)支援など、支援というスタンスは一切とっていません。また、ニートやひきこもりなどの名づけは、外からの名づけなので、失礼だなと思っています。「なにものかでなくともよい場所」がコンセプトです。趣意書は下記。

http://foro.jp/narnywa/prospectus

 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
40代 1人
  Q. 専門資格・免許など
とくになし。
  Q. 特記すべき専門事項
フリースクールスタッフ、不登校新聞編集長など
 Q. スタッフプロフィール
埼玉県生まれ。大学を中退後、フリースクール「東京シューレ」スタッフを経て、1998年、『不登校新聞』創刊時から、2006年6月までの8年間、編集長を務めた。また、2001年10月、フリースクール「フォロ」設立時より、同事務局長を務める。2006年10月より、若者の居場所「コムニタス・フォロ」を立ち上げ、コーディネーターをしている(現在は「なるにわ」と名称変更)。2012年より関西学院大学非常勤講師。著書に『迷子の時代を生き抜くために』(北大路書房2009)、共著に『名前のない生きづらさ』(子どもの風出版会2017)。
[スタッフ(コーディネーター)の方は、98年から不登校新聞の編集をしていました。2000年に、その関係で大阪へ。親の会のたちとフリースクールを立ち上げ、2006年から若者の居場所を開始。若者の居場所は、支援する側と支援される側という関係ではない、互助的な関係の場として開いてます。「コーディネーター」は、あくまで関係調整の役割。東京は一枚岩的なものを求めるのに対し、大阪はわりと中心がなく、ばらばらでもよしとするという違いがあると思います。]
 Q. ホームページ
http://www.foro.jp/narnywa/
 Q. SNS等
 

Twitter https://twitter.com/nar_nywa
Facebook https://www.facebook.com/narnywa/
 Q. メールアドレス
communitas@foro.jp
 Q. 電話番号
06 (6946)1507(フォロ)/050-5883-0462(山下)
 Q. FAX番号
06 (6946)1577
 Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 99%
1%
 Q. 参加・利用している本人の特徴など[調査員が聞き取り]
 参加条件は18歳以上で設立趣旨と規約に賛同する人なので、若者から親の立場の世代など、いろいろな人が参加してます。ひきこもりというと、肩書きがない、所属がなくなる状態で、「不登校」「ひきこもり」「発達障害」など周りから名前をつけられますが、なるにわは「なにものかでなくともよい場所」として開いてます。
ときに困った言動をする人もいますが、表面的な言動だけを見るのではなく、その根っこの部分を大事にしています。人が集まれば、ごちゃごちゃすることもありますが、ごちゃごちゃも「お庭」の養分ということにしています。
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について[調査員が聞き取り]
サロンには、企画が入っているときも入ってないときもありますが、初めての人には企画の入っているときのほうは、おすすめです。

      

 Q. 参加・利用している家族・親の特徴など[調査員が聞き取り]
 本人が来られるのが大半です。費用が低いので、親の了解なしで参加できます。親の方が相談に来られることもあります。
・ 調査員感想
当事者系活動、おもしろかったです。理念があんまりかっちりしすぎませんというのが、当事者系活動はそういうもんかなあと 思いました。(調査員1)

私は自転車で行かせていただきましたが、周囲は坂が多く上町台地を存分に満喫できるかと思います。(駐輪場はないので、駐輪の際はスタッフさんに確認してくださいね。)
思っていたよりビルっぽい建物で、中に入ると(調査の時間帯は)子どもたちがわーわーやっておりました。またその日は他団体さんと麻雀!?の対抗戦をやっていたそうで、噂によれば全自動卓があるとかなんとか。麻雀をやる私からすれば、うらやましいの一言です。
そういったにぎやかな雰囲気とは一転、調査を受けてくださった担当の山下さんは物静かな理知的な方でした。受け答えをお聞きしていても多くの方が、山下さんを激賞される理由がよくわかりました。
また、こちらには記載できないようなオフレコトークも多くあり、個人的にまたお話ししたいと大変思った次第です。ただ、そういった一面だけではなく、ご自身の年齢をお忘れになっておられたりとお茶目な一面もあり、こういったところも魅力的ななのではないでしょうか。
一番共感できたお話は「でてきたことをやる」というスタンスでした。その結果が当事者研究に繋がっておられるということが、とてもわかりやすい流れでした。昨今はフリースクールが多く出来ましたが、関東や名古屋でも不登校新聞のスタッフとして多くのものを見てきたからこそできる老舗のフリースクールとして、これからも益々のご活躍を期待しております。(調査員2)

(最終更新日:2019年3月30日)

2019年3月23日

NPO法人グローバル・シップスこうべ(愛称・NOAH(ノア))

Filed under: 兵庫県,相談する,集まる・つながる — Kumono @ 21時39分31秒

調査票は支援機関が記入。
答えの[ ]内および設問に[調査員が聞き取り]とあるものは、
支援機関への聞き取りをもとに調査員が記入。

Q.団体名
NPO法人グローバル・シップスこうべ(愛称・NOAH(ノア))
Q. 主な活動場所
兵庫県民会館(〒650-0011 兵庫県神戸市 中央区下山手通4丁目16−3)
[ 最寄駅は 地下鉄山手線「県庁前駅」から徒歩1分、JR・阪神「元町駅」から徒歩7分です。周辺は官庁街で 閑散としています。また、兵庫県庁の近くで、隣が教会です。駐車場はあります(37台)が、兵庫県民会館の駐車場で有料です。]
 Q.活動内容に関して
 

活動内容 活動時間
(曜日・時間)
費用 利用の際の
注意事項等
自助グループ「交流の集い」 毎月一回(土曜日か日曜日)
15時~17時
無料 現在休止中
フリースペース「NOAH」 不定期 無料 現在休止中
ホームページによる情報発信
(支援機関情報や各種イベント情報など)
月に1回程度
 イベントのコーディネート、
プロデュース
兵庫県電話相談事業
(ほっとらいん相談)
事務局の受託
https://web.pref.hyogo.lg.jp/
ac12/ac12_000000034.html
月・火・水・
金・土
10時~12時
13時~16時
無料

今は、ノアとしての活動は「ほっとらいん」(電話相談の事務局事業)だけで、直接関わる部分はありません。

これまで「グローバル・シップス こうべ」では、当事者会である「若者のつどい」、ひきこもりの男女の出会いの場をセッティングする「出会いのつどい」を香川で、『全国若者・ひきこもり協同実践交流会』で、それまではなかった当事者会を作る準備会である「交流のつどい」、そのほか「フューチャーセッション」、「ひきこもり大学」などを主催してきました。

※ひきこもり大学とは、不登校やひきこもり状態にある/あったことのある人が講師となり、「ひきこもり」体験を通じた見識や知恵、メッセージなどを、関心のある人たちに向けて講義するものです。「空白の期間」などとネガティブに受け止められがちな「ひきこもり」という状態像ですが、当事者ならではの捉え方を共有することを通じて、ひきこもり期間を通じて得たものへの価値を見出し、様々なネガティブな誤解を解いていくことを目的としています。

※フューチャーセッションとは、最適解のない複雑な問題を解決するために、企業・行政・NPOなどのセクターの壁、組織内の部署の壁、専門分野の壁など、立場の違いを超えた対話により、協調アクションを生み出す場です。

 Q. 活動理念など、活動をする上で大切にされていることについて
 ひきこもり問題は、社会では甘えや病気として、福祉や医療の問題として扱われることが多いようですが、それだけでしょうか?やさしくて才能豊かな半面、人と少し違っている人が、同室を良しとし、変化を嫌い、思いやりを失った社会や家族の中で、味方も無く、自分を守ろうとする行為であり、「どう生きるのか?」という哲学的な問題も含んでいるのではないでしょうか?
私たちは、当事者として活動し、同じ当事者の方々とつながり、関係者や第3者との対話を進める中で、私たちが望む社会のあり方や生き方を考え、社会へと伝えていきます。
 Q.スタッフの人数(代表者含めスタッフ的な役割の人の数)
男性 女性
30代 2人 1人
50代 1人

役員報酬はありません。会計役は代表が行っており、かなり大変です。「ほっとらいん相談事務局」の受託以外の収入は、会費・寄付金が主です。ただし、支出は少ないです。(詳しくはホームページ参照)

 Q. スタッフプロフィール
 代表自身は、高校時代に不登校になり、卒業後ひきこもりになりました。その後、大学に行くが卒業後、数年間再びひきこもりになりました。ひきこもりから脱却したのは、①家族との関係②友人との関係③もともと興味があった「シェアハウス」ができたという3つの事柄がきっかけです。その後、2006年春、神戸にオープンした「情報センターISIS神戸」を紹介され、そこで体験発表・ホームページ作成などを行っていました。
その「情報センターISIS(イシス)神戸」に集まってきた当事者たちで当事者の会を作ろうということになり、2006年秋に任意団体「グローバル・シップス」を設立しました。ひきこもりを経験した当事者の声を社会にもっと伝えたいという思いから、2009年春に「NPO法人グローバル・シップスこうべ」として法人化しました。
 Q. ホームページ
http://www.global-ships.net/
 Q. SNS等
 

Twitter https://twitter.com/Global_ships
Facebook https://www.facebook.com/globalships
 Q. メールアドレス
kobe@global-ships.net
 Q.最初の相談者の割合について
 

属性 割合(%)
本人 80%
その他 20%
 Q. 上表「その他」とは
「ひきこもり」と自己定義しているわけではないですが、それに近いと感じている人(ニートや不登校経験者、その他「生きづらさ」を感じている人たち)の参加もあります。
 Q. 参加・利用している本人の特徴など
・自助グループやフリースペースなど
当事者よりの活動を目指しているため、基本的に当事者(経験者・元当事者)が多く参加しています。男性が多いですが、女性の参加もままみられます。年齢層は20代~40代が中心です。
 Q. 本人が参加する場の雰囲気、本人と接する空間の雰囲気について
 主な活動場所は、兵庫県民会館7階の青少年交流プラザ(セミナー室・交流サロン)です。とくに貸し切りにできるセミナー室での活動が多いです。基本的に机や椅子を丸く囲んで、情報交換や自助グループ的活動、フリースペースなどを行っています。本人の居場所として「来てよかった」と思える場づくりを目指しています。

[写真はセミナー室の入り口と部屋の様子です。]

 セミナー室入り口 セミナー室

Q. 活動していて良かったこと・大変だったこと[調査員が聞き取り]
  よかったことは、いろいろな人に出会えたこと、仕事の依頼(司会・訪問)があることです。大変なことは、いろいろな人に出会うので、人間関係が大変なことです。
Q. 「グローバル・シップス」という名前の由来[調査員が聞き取り]
 主に、ISIS神戸において「社会不安と戦い、引きこもってからひょっとしたら精神が狂いそうな状態を過ごし、緊張と不安のストレス、さらに絶望と死にたいと思う日々を過ごし細々と静かな人生を獲得してきた生き方を10年20年と生き続けた若者に対して「引きこもり」という名称を使わず、日本の社会に生き抜いた地球人(グローバルヒューマン)と考えるようになった」ということから最初は団体名を「グローバル・ヒューマン」にしようとしたが、先にそういう名前の団体があったので、「ノアの方舟」のイメージで「グローバル・シップス」にした。
Q. 今後の課題・目標など[調査員が聞き取り]
  会計できる人がほしいです。これから(イベントも含め)何をしていくかも考えなければならないです。また、スタッフ会議をSNSだけでなく「フェイス・トゥ・フェイス」でやったほうがいいと考えています。
Q. 調査への助言、提言、応援コメント等
 府県をまたいでの情報、大切・重要だと思います。 イベント情報もあるといいかもですね。情報収集・更新が大変ですけど。
 ・自由記述
  兵庫県姫路市龍野町2丁目18番地が事務所所在地です(活動場所ではない)。
2014年度より、兵庫県のほっとらいん相談(青少年のための総合相談・ひきこもり専門相談)事業の事務局を受託しています。(https://web.pref.hyogo.lg.jp/ac12/ac12_000000034.html
現在各メンバーが多忙につき、定期的な集会は休止中ですが、将来的にはなんらかの形で再開したいと考えています。自助グループやフリースペースだけでなく、討論会や当事者研究会など幅広く模索しています。
・ 調査員感想
 代表は中間支援(他機関の情報提供など)に力を入れており、それはプロジェクトの理念に非常に近いと感じた。多忙のため、現在はあまり活動していないが、これまでさまざまなイベントを主催しており、今後はその経験・ノウハウを生かして他機関のイベントなどの「アドバイザー」として活躍することを期待しています。

(最終更新日:2019年3月23日)

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